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2011年9月23日金曜日

総合診療・ウェブ・カンファレンス


症例:検討中
日 時:平成23年9月29日(木)18:00-19:00
場 所:総合診療部 医師室(病院2階)

テレビ会議システムを用いた,症例検討会です. 
臨床推論(診断学)を学ぶのに,有用なカンファレンスです.
研修医の皆さんの,多数のご参加をお待ちしております.


参加施設:佐賀大学 総合診療部
       富山大学 総合診療部
       他

2011年7月26日火曜日

総合診療・ウェブ・カンファレンス


症例:検討中
日 時:平成23年7月29日(金)17:30-18:30
場 所:総合診療部 医師室(病院2階)

テレビ会議システムを用いた,症例検討会です.
臨床推論(診断学)を学ぶのに,有用なカンファレンスです.
研修医の皆さんの,多数のご参加をお待ちしております.


参加施設:佐賀大学 総合診療部
       富山大学 総合診療部
       他

シンポジウム『わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える』のご報告

ご報告が遅くなりましたが、7月2日に札幌で開催された第2回日本プライマリ・ケア学会学術大会のなかで佐賀大学病院 総合診療部と地域医療支援学講座の共同企画によるシンポジウム『わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える』を行いました。

 
札幌で土曜日の朝9時からという早い時間にも関わらず多くの方にお越しいただきました。
シンポジウムは全体で90分しかなかったため、5人のシンポジストのみなさんに10数分ほどずつお話しいただき、最後はフロアとのディスカッションを行いました。

以下、各シンポジストの皆さんのお話の一部を簡単に箇条書きで述べたいと思います。

 
薗部友良先生(日赤医療センター小児科顧問、「VPDを知って子どもを守ろう。の会」代表)

小児がんでさえ7割治る時代に、ワクチンで防げる病気(VPD)に対してワクチンをしないのはネグレクト。
日本のワクチン行政の問題の根本は、実は「司法の考え方」が大きい。無過失補償制度が必要。

WHOは先進国では水痘やムンプスの定期接種を勧めているが、日本では任意接種。水痘でも重症化すると死亡例もある。

マスコミの報道は「有害事象」をすべて「副作用」として扱っているが、真の副作用とそうでないものの区別必要。真の副作用であるアナフィラキシーショックは、ワクチンの材料にゼラチンを使用しなくなってからは減っている。重症免疫不全(SCID)の子どもは、周りの子供たちがワクチンを打って、ワクチンを打てない子供たちを守るべき。

ロタウイルスのワクチン(ロタリックス)が昨日(7月1日)に日本でも承認された。2-3か月後に発売予定。

「VPDを知って子どもを守ろう。の会」のホームページでは、ロタウイルスワクチンも含めたワクチン接種スケジュールを公開している。


岩田健太郎先生(神戸大学 感染症内科)

先日、不活化ポリオワクチンとヒブ、肺炎球菌ワクチンの同時接種を小児科医に断られた。
その医師は、子どものためを考えてではなく、自己の保身を考えているのではないか。

子どもではなく、自分の安全に目が向いている(詳細は岩田先生のブログ参照)。

海外では、同時接種で使用されているものを、日本で同時接種できないのはおかしいのではないか。

ワクチンに限らないが「もし、〜〜が起こったら、誰が責任を取るんだ」ということに怯え、思考停止に陥り、自主規制してしまう人が多い(これは放送禁止用語にも言える)。

医師として、プロとしての誇りと責任をもって、同時接種をしてほしい。

 

高畑紀一先生(「細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう」会 事務局長)

ワクチンを受ける子どもの親の立場から。

子どもが3歳のときにヒブ髄膜炎にかかった。のちにヒブワクチンのことを知り、「ワクチンがありながら、守ってあげられなかった」と自己を責めた。

わが国での悪しきパターナリズム。「国がしていないから、必要性が低いハズ」と自分で考えなくなってしまっている人もいる。

キング牧師の言葉『善意の人の沈黙と無関心』に示されるように、無関心の中間層をどうするかが課題。

「ワクチンの恩恵=何もおこらないこと」なので一般の方に、ワクチンの重要性が伝わりにくい。

また、一般の方の科学に対する認識は「白黒つけてほしい、ズバっとはっきり言ってほしい」と思っている。実際の科学とはそういうようなものではないが、医療者には、そのような一般の認識を意識して説明を行っていただければと思う。
 

堀成美先生(聖路加看護大学)

一般の方は、ネットでワクチンを検索しても、なかなかワクチンの正確な情報にたどり着けない。

とくに任意ワクチンについて(アクセスしやすい形で)情報提供している国の機関や行政のホームページは少ない。情報が不足している。

ワクチンは乳幼児期のみではない。学童、学生にも教育は必要。誰にどのように伝えるか。青年期からは母子手帳やワクチン接種記録を自己管理すべき。

現在、保護者の任意ワクチンの接種希望を医師が否定する困った状況も耳にすることもある。医療者間でも任意ワクチンに対しての認識のズレがある。助産師雑誌でも今回はじめてワクチン特集があった。

プライマリ・ケア連合学会もぜひ、ワクチン接種の指針を示してほしい。


 
で、僕は元・幌加内町保健福祉総合センター長として、
北海道幌加内町における6種(インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ、HPVワクチン)任意ワクチンの公費全額助成(自己負担なし)制度と医師・保健師による住民へのワクチン啓発によって、ワクチン接種率が向上した事例について報告しました。

国による定期接種化が望まれるのは、もちろんですが、それがなされるまでは、地方自治体独自のワクチン政策も必要だと思います。

幌加内町は人口も少なく、より少ない予算で公費助成が行えるのは確かですが、大きな自治体でも予算額そのものの印象で判断するのではなく、一般会計全体に対する割合で判断していただければと思います。幌加内町のワクチン公費助成事業の予算は、町の一般会計の0.1%弱です。

また、いままでは一般市民の方や小児科医や産婦人科医の先生方が必要な任意ワクチンの定期接種化をすすめるべく様々な活動をされてきましたが、プライマリ・ケア従事者の学会である日本プライマリ・ケア連合学会としても、他団体と協力して、ワクチン問題に取り組んでほしいと思います。


その後、フロアの皆さんとの質疑応答・ディスカッションを行いました。

ワクチン接種の手技や制度など実践に関する質問が多いのではと予測しておりましたが、実際は「日本プライマリ・ケア学会として、もっとワクチンについて情報発信すべきではないか」「小児のみならず、全年齢層でのワクチン接種スケジュールを学会として作れないか」「性教育、健康教育時にどのようにワクチン教育を行ったらよいか」「個々のワクチン接種歴の管理には、どのようなツールが有効か」といった前向きな発言・質問が多く、大変議論が盛り上がり、時間が足りないほどでした。

今後、学会としてワクチンについて取り組む際には、積極的に協力すると発言していただいた先生もおられ、皆さん、それぞれに何とかしなければと思われていた方が多いことを実感し、とても希望が持てました。

また個人的には、ついつい「ワクチン制度」や「ワクチン行政」など大きなところに目が向いてしまっていましたが、制度(ハード)に対して、もう一方で大切な住民(国民)へのワクチンに関する情報提供、住民がワクチンに対して不安や不信に思っていることに応えること(ソフト)も大切だということを改めて、学びました。

岩田先生の言葉にあった「それぞれが明日からできることをする」という、基本的なことにも立ち返りたいと思いました。

また高畑さんが言われた「1人が10言ってもなかなか一度には伝わらない。10人が、それぞれの機会で1ずつ話せば、最終的には10伝わると思う」という言葉にも、それぞれの現場での地道な取り組みの大事さを改めて感じました。

プライマリ・ケア連合学会の今回の震災医療支援のプロジェクト名は”Primary Care for All Team” ですが、ワクチンもまさに接種される個人はもとより、集団免疫を上げてみんなの健康を守るという”Vaccination For All” でもあります。

学会としての取り組みのためには、その準備等、少し時間がかかるとは思いますが、小児科医や産婦人科医だけではカバーできない世代も含めて、ワクチンについての情報提供や健康教育についてプライマリ・ケア医が関われることはとても多いと思います。


常に住民側を向いているプライマリ・ケア連合学会としての、これからの動きにとても期待をしています。もちろん、僕らにできることは何でも協力させていただこうと思っています。

(坂西雄太)

2011年7月1日金曜日

札幌 プライマリ・ケア連合学会でシンポジウム&ポスター発表します

お知らせが直前になってしまいましたが(汗)

明日から札幌で行われる第2回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で
総合診療部&地域医療支援学講座の合同企画のシンポジウムとポスター発表を行います。
 
明日(7月2日土曜)のシンポジウムは以下のとおりで、ワクチン行政とプライマリ・ケア医の役割をみんなで考えよう!というものです。
企画した自分で言うのもなんですが、素晴らしいシンポジスト(あ、僕以外ですよ)をお呼びしていて、日本のワクチン行政をいろんな角度から考えることができると思います。
 
なるべくフロアとのディスカッションにも多くの時間を割きたいと思っています。

そして、今後プライマリ・ケア学会としてもワクチンに対して、より積極的に一般の方や医療者に情報提供を行うようになってくれればという願いも込めています。 

7月3日(日曜)には、東日本大震災 支援活動のポスター発表もいたします。
僕はPCAT涌谷で参加させていただいた『地域連携型 医療的避難所「ショートステイベース(SSB)」』について発表します。
 
 PCAT以外の活動報告もあります。ポスターは土曜日から掲示されますので、ぜひご覧ください。

 札幌で全国のみなさんにお会いできるのが楽しみです!

 以下、学会HPよりシンポジウムとポスターの詳細です。

 企画名

 【シンポジウム2】

わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える
(佐賀大学 総合診療部、地域医療支援学講座 共同企画)
日時 7月2日(土) 9:00〜10:30
会場 ホールC  3階 ロイトンホールAB
 
開催の目的
 限りある医療資源のなかで予防医療とりわけワクチンは重要である。
しかし、わが国のワクチン行政は世界の動向よりはるかに遅れており様々な問題を抱えている。
 
小児科医や産婦人科医とともに、地域医療の担い手であるプライマリ・ケア医こそ、この問題と向き合う必要がある。
ワクチンの意義とわが国のワクチン行政の問題点を理解し、これからのプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える。


対象
医師、看護師およびメディカルスタッフ、行政関係者、学生、地域医療・母子保健・健康教育に関心のある全ての方々

司会  杉岡 隆 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座)

シンポジスト
薗部 友良 (日本赤十字社医療センター小児科、「VPDを知って子どもを守ろう。」の会 代表)
岩田 健太郎 (神戸大学病院感染症内科)

堀 成美 (聖路加看護大学 看護教育学)

高畑 紀一 (細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会)

坂西 雄太 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座、前・幌加内町保健福祉総合センター長)


企画概要
 医師、教育学、市民より専門家を招き、わが国のワクチン問題について多角的に検討し理解を深める。
またプライマリ・ケアの現場での医療機関と行政の連携による取り組みも紹介する。

シンポジウムの後半では、シンポジスト同士や会場とのディスカッションを行い、これからのワクチン行政におけるプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える。

各シンポジストには以下について講演していただく。

薗部友良先生および岩田健太郎先生には、それぞれ小児科医、感染症科医の立場から、ワクチンで予防できる病気(Vaccine Preventable Diseases:VPD) に対するワクチンの意義やわが国のワクチン行政の制度上の問題点などについて。

堀成美先生には看護教育学の立場から、市民への健康教育やワクチンに関する情報提供のあり方などについて。

高畑氏には細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう会のこれまでの活動や、患児の保護者としての想い、市民と医療職、行政との連携などについて。

坂西は6種(インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、ムンプス、HPVワクチン)任意ワクチンの公費全額助成を実現した北海道幌加内町の取り組みを紹介する。


 
【東日本大震災 支援活動ポスター】
 
企画概要
2011年3月11日、日本をおそった東日本大震災。
本学会ではいち早く「東日本大震災支援プロジェクト PCAT(Primary Care for All Team)を立ち上げ被災地の支援を継続しております。

今学術大会には実際に現地に向かわれた保健・医療・福祉職の皆様そして、まさしく現地で復興のため日夜がんばっていらっしゃる方も参加されることと存じますので、現地での活動を写真などの記録を交えて紹介するポスターセッションを企画いたしました。

会場は市民公開講座の会場の目の前です。一般の方にも私たちプライマリ・ケアに携わるものの仕事を知っていただく機会にもなると思います。

 
ポスター展示場所
ロイトン札幌 3階一般ポスター演題と同様のフロア
時間
【ポスター掲示】 7月2日 8:30〜13:30

【発表時間】   7月3日 9:30〜10:30

【ポスター撤去】 7月3日 15:00まで

(坂西雄太)

2011年6月17日金曜日

★総合診療医局説明会のご案内★

総合診療部医局説明会のご案内

 

新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、下記の日程で総合診療部の医局説明会を開催します。

専門診療が発展した現代ほど、地域から実力のあるプライマリ・ケア医(良医)を要望する声が多くなっています。佐賀大学総合診療部は、将来プライマリ・ケアに関わる家庭医療、地域医療、総合診療に進みたいと考えている医師を大事に育成してきました。日本ではまだまだ現場の医師は不足しています。私達は多くの若い皆さんがプライマリ・ケアの領域に進むことを希望しています。総合診療部はそのような熱意ある医師を育て、応援するための教育、研究をする部門です。

興味のある方は、是非ご参加下さい!

                    記

日時:2011624日(金) 1830分より

場所:総合診療部医師室(病院2階)

 

当日説明会の後に、食事会を予定しています。(20時頃より)

関連病院で勤務中の先生方にも参加していただく予定ですので、大学病院以外のお話などもできるかと思います。是非、気軽に遊びに来てください。

ご参加のご連絡、不明な点などがありましたら以下の連絡先まで。

 

連絡先 総合診療部医局 0952-34-3238

2011年6月8日水曜日

PCAT(日本プライマリ・ケア連合学会 東日本大震災支援プロジェクト)に参加しました

地域医療支援学講座ブログに掲載したものと同文ですが、こちらにも転載させていただきます。


また、災害医療的には慢性期に入っている石巻圏の現状、医療支援の活動内容を皆さまに知っていただきたく、その活動報告会を企画いたしました。

対象は主に医学生(医学科、看護科)と研修医としていますが、一般職員の方にも是非お聞きいただければと思います。

『東日本大震災医療支援ボランティア活動報告会』

日時  2011615日(水)18:30〜19:00
場所  佐賀大学医学部 臨床大講堂(医療安全講習会終了後、自由参加です) 
報告者 地域医療支援学講座 総合内科部門   坂西雄太

以下、転載です。
523日より529日まで日本プライマリ・ケア連合学会の東日本大震災支援プロジェクトPCAT : Primary Care for All Team、ピーキャット)に参加しました。

僕らが所属している、日本プライマリ・ケア連合学会は

『プライマリ・ケア(家庭医療・総合診療)の学術団体として特色ある災害支援を行うべく,医師をはじめとする多職種の医療専門職で構成された災害医療支援チームを被災地に派遣することを決定し(中略)プライマリ・ケアの能力を最大限に発揮し,被災者の避難生活を医療の面から包括的に支援する活動を続けています。私たちの最終目標は,地域の保健・医療・介護職の皆さまが元通りの力を取り戻されるまでのご支援です.それぞれの地域の特性や人脈を最大限尊重し,支援者目線の支援に陥らないよう,被災地の方々が真に必要とするニーズを探り出し,柔軟に対応し,支援と協働を提供しています』(学会HPより抜粋、引用)

PCATは①現地の医師(在宅診療含む)の代診②避難所の医療支援の2つを柱に活動を行なっています。

現在、主に岩手県藤沢町ハブ(宮城県気仙沼市で活動)、宮城県涌谷町(わくや)ハブ(宮城県石巻市で活動)、福島県天栄村ハブ(同村国保湯本診療所医師が活動)で活動を行い、現在までにのべ200人強のスタッフを派遣しています。
また在米医療者による災害地支援NPOであるProject HOPEの活動に対して、今回PCATが受け皿となり、Project HOPEからの在米日本人医師・看護師の皆さんとも一緒に活動しています。

僕は前日の522日にPCAT派遣前研修を東京で受け、被災地における様々なケア、そして支援者自身のメンタルケアなどについてレクチャーを受け、グループ学習をしました。また今は災害サイクルが亜急性期から慢性期に移行し、外部からの医療支援が徐々に撤退している中での医療ニーズについてもレクチャーを受けました。そのなかで、前述のようにあくまで現地のニーズ、継続性を常に考え、支援者のエゴを押し付けないようという意味での『最高ではなく、最適を』という言葉が印象的でした。

涌谷ハブでは現在、以下のプロジェクトが行なわれています。
①遊楽館の医学的管理と運営
 介護を要する方(介護保険の要介護者)の『福祉的避難所』である「遊楽館」における医師、薬剤師、コメディカルスタッフの派遣と各部署におけるシステム構築、他職種チーム医療の実践。遊楽館内における医療管理面、また石巻市役所、石巻市立病院と他団体との調整役として大きな役割を担っている。
②石巻/河北地区における在宅診療
 JIMNetの在宅看護ネットワークと協力体制を組み、石巻河北支所からのニーズに沿った在宅医療への介入。また地域開業医の在宅診療代診の実施。
③石巻圏における検視と死体検案業務
 石巻警察と石巻医師会への協力業務。事件性の薄い案件に限り、可能な範囲において協力体制を継続していく。
④医療避難所「ショートステイベース(SSB)」における地域連携型医療活動及びその医学的管理と運営 
 民間病院内にある一時的避難所「ショートステイベース」への介入。災害本部より医学的管理を要する避難所の定点活動要請を申し受けた。災害本部、施設提供先、また行政機関との相互協力体制を維持しながら、地域特性と都度、災害復興ニーズ変化に柔軟に沿うことのできる避難所施設の運営を目指す。関係機関などを含め地域連携機能を高める事で、より多くの医療を必要とする被災者の方のクッション機関となれるよう現在プロジェクトを計画進行中。日中PCAT医師駐在夜間オンコール体制、看護師2交代制勤務実施中。
⑤石巻圏のリハビリ在宅診療
 宮城県保健所からの要請に沿い理学療法士のサポート業務、また河北エリア等の石巻圏内における在宅リハビリ診療と住環境アセスメントを実施。
⑥健康調査RHITEプロジェクト
 当学会指定避難所2か所における健康調査、その結果返しを実施。
⑦PCOT及び日本助産師会の母子健康保健活動
 PCOT医師と助産師による石巻圏内における母子健康のニーズ調査と介入日本助産師会より派遣された助産師による東松島市圏内における新生児自宅訪問

石巻圏では、いまでも160ヶ所以上の避難所に50006000人近くの方が、公的な避難所以外で生活をされている方を含めると1万人ほどの方が自宅以外での生活を余議なくされています。
(※6/8追記:6/7現在の石巻圏の避難所数115か所、避難者数:5926人)
石巻のエリアを1-14ケに分け、各救護班(各地の日赤や公的および民間の医療施設・団体による医療チーム)エリア内の避難所を担当します。毎日18時から石巻日赤病院で救護班合同ミーティングが行なわれ、災害本部からの通達や情報共有がなされています。

僕はProject HOPEからの医師・看護師の皆さんとともに上記④の医療的避難所「ショートステイベース(SSB)」での業務を1週間させていただきました。このSSB4月上旬から設置されおり、高度の医療が必要ではないが、医療・社会的理由から避難所での生活が困難な方が一時的に入所する医療的避難所で、いままでの日本の災害地にはなかったコンセプトの避難所だと聞きました。とくに初期は地域の医療機関が再開されておらず、各避難所から直接、石巻日赤病院に患者が集中し、日赤の機能を上回ってしまったため、避難所と石巻日赤との中間(クッション)施設としてSSBが開所されたそうです。
で、最近まで様々な医療救護班が午前・午後と入れ替わり立ち替わり、SSBを担当していたのですが、今回525日よりPCATが全面的にSSB業務を担うことになりました(531日まではジャパンハートからの看護師と協働)。
施設はそれまで利用が休止されていた民間病院の病棟を借用しています。
PCATSSB業務を引き継ぐに当たり、再度、その統括機関である石巻日赤病院はじめ関係各者と協議し、現地の医療・福祉的ニーズと現在のSSBの施設的な問題点などを確認し、今後のSSBの方向性を決定しました。
またSSBはあくまで「避難所」であり、入所者の食事は石巻市から配給になるため、PCATが連携している日本栄養士学会のボランティアに依頼し、食事内容について介入していただくことになりました。

現時点でのSSB入所対象者は主に以下のとおりです。
①数日〜数週間の点滴・内服・安静や簡単な処置が必要な入所者
(入院患者が直接、避難所などに戻れない場合の一時的待機も含む)
②原則として10歳以上(付き添いがあれば、10歳未満児も検討)
③隔離が必要な感染症、感染症が疑われる入所者

また、将来的には地域の医療・介護・福祉関係者だけで、この地域を担われることになるため、PCATの活動がtoo muchになることなく、かつ継続的な地域のネットワークの構築・維持のお手伝いをさせていただけるといいでのはないかと考えました。

今後しばらくは、PCAT活動の原則どおり、あくまで現地のニーズに沿うかたちでSSBを活用することにより、PCATとして石巻圏の医療・福祉をサポートさせていただければと思いました。

1週間という本当にわずかな期間でしたが、現地での医療に関わらせていただき、僕自身はいろいろと学ばせていただきました。

そして、現地に入るまで頭では理解していましたが、現地を見て、被災された方々にお会いして、現地の甚大な被害状況やそこで暮らされている方々の心の痛みとその回復、復興までにはまだまだ時間がかかってしまうことも実感しました。

震災から2カ月以上が経ち、現地の方々の疲れ・ストレスは相当なものだと思います。
また、全ての方が仮設住宅に移れるのは9月になるとも言われ、これからの季節、梅雨や豪雨、夏の暑さの中、避難所での生活が続くことも心配です。

直接的にも、間接的にも、本当に長期のサポートが必要です。

PCATでは医師、看護師など医療者のみならず、医学生の参加も可能です。僕が参加したときも東京医科歯科大学の6年生が参加されていました。佐賀大学はじめ九州の医学生の皆さんも是非、参加してもらえればと思います。
(地域医療支援学講座 総合内科部門 坂西雄太)

2011年4月23日土曜日

カナダへ留学される先生の送別会をしました。

カナダへ留学されるM先生の送別会を引っ越し準備でお忙しい中、行いました。

 留学が決まり、手続きなど大変のようですが、夢がかなって、準備にも力がはいりますね!

M先生は、バイキングが好きという事で、「なお巣」でした。

久しぶり(何年・・・まえ)に行きましたが、歓迎会シーズンでもあり、お店は大盛況でした。 お料理もおいしかった。


留学経験・人生の先輩E先生よりいろいろアドバイスをいただいて、準備万端!!

身体に気を付けて、カナダでの新しい生活、勉強に遊びにエンジョイしてください。



2次会は、カラオケで、皆様の美声を楽しく聴きました。





ひろたき