連続投稿です!
学生実習で医療倫理の講義を担当しています。医療倫理について詳しく勉強したことはないのですが、臨床に即した問題を提示し学生さんとともに4分割表を用いて討論しています。
医療倫理とは、たとえば超高齢者の延命治療についてや悪性疾患の告知についてなど、臨床で必ず直面する答えのない問題に対して考える学問です。
4分割表では、その倫理的問題について医学的適応、QOL、患者の希望、周囲の状況の4軸を用いて、それぞれに関して検討を行ないます。表を用いることで、自ずとどこに対してアプローチをかければよいのということがビジュアル化でき、非常に有用だということに最近気がつきました・・・(笑)
この4軸については、普段我々臨床医が倫理的問題に直面したときに自然と考えている項目であり、経験の浅い研修医の先生や経験のない学生さんが考える際の補助ツールとして有用です。ここまで数症例を検討していて感じることは、患者さんの希望や周囲の状況にやはり重点がかかることが多く、そこにアプローチすることが問題解決の糸口となることが多いと思います。
もちろんデリケートな問題であり、表をつかっても答えが出るものでもありません。ケースバイケースなのは間違いないのですが、臨床医の思考パターンを学ぶいい機会かと思います。
結局大事なのは患者さん、ご家族さん本位であり、かつ、医学的適応・QOLのバランスをとることだと思います。患者さんの背景やこれまでの生き方なども重要なヒントとなることも多く、専門診療科での病棟実習では学べない点を医療倫理の講義で十分に学んでほしいと思っています。
投稿 多胡
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