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2011年10月19日水曜日

かなり久しぶりに投稿させていただきます.

今回は総合診療部の5年次生臨床実習の教育について紹介したいと思います.

総合診療部では以前より教育に力を入れており,総合診療部出身の小田先生や江村先生が,学生教育および研修医教育で活躍されています.
もちろん,5年生の臨床実習(ポリクリ)でも教育に力を入れており,午前中は外来実習として学生に初診患者の問診をとってもらい,その内容を担当医にプレゼンテーションし,鑑別疾患を考えてもらいます.鑑別疾患を想起した上で,医師の問診と診察を,また医師が検査・治療方針をどう決めるのかを見学してもらっています.そして昼の外来カンファレンスで再度プレゼンテーションしてもらい,ドクターを中心に討論しています(さすがに学生には討論に参加するだけの知識が十分にありませんが,いろんなドクターの考えを聞いて学ぶことができます).

問診をとるだけでも,医療の一翼を担えたという充実感が得られるため,この外来実習に対する学生からの評価は高いです.また実際の症例はPBLで習うような典型的症例とは違い,学生にとって新鮮なようです.

最初は0~2個しか鑑別疾患を挙げられなかった学生が,2週間目には4つくらい(?)は鑑別疾患を挙げられるようになり,問診も落ち着いて聴取でき,そつなくプレゼンテーションができるようになると,教育する側としても学生の成長を目の当たりにすることができ嬉しくなります.このような外来実習は佐賀大学総合診療部の誇るべき特徴であり,今後も大事にしたいと考えています.

午後は主に講義を取り入れており,まずは医療面接のコツ(挨拶,信頼関係の構築)から問診のコツ・診断のコツ(診断推論)を講義し,特に問診の重要性を強調しています.問診だけで7~8割方診断をつけ,感度・特異度の高い身体所見と検査所見を用いて確定・除外診断することを教えています.近年の医療界では安易に検査を行う傾向がありますが,問診と身体所見を大切にし,検査をするにしてもしっかりとした目的を持って検査を行うよう指導しています.

他にも,今まで当たり前すぎて教育されてこなかったと思われる,プレゼンテーションのコツやバイタルサインのとらえ方,身体所見のとり方もレクチャーするようにしており,市中病院でプライマリ・ケアを実践している先生方の協力も得て,症候学や感度・特異度のレクチャーをしてもらったり,プライマリ・ケアの実際を学生に紹介してもらっています.
さらに空いた時間に病棟実習として,総合診療部に入院している患者さんの診察を医師と共に行うことで,身体所見のとり方などの実技指導も行っています.

このような総合診療部の実習に対する学生の評価は非常に高く,学生のアンケート調査でも他科と比べて突出した評価を得ています.今後も医局員と共に,よりよい実習にしていきたいと考えています.

(学生実習のスケジュールも貼り付けておきます)

追記:
学生実習だけでなく,研修医への教育にも力を入れており,上記内容だけでなく,実際の臨床現場で役立つ研修医向けのレクチャーを毎週のように行っています(今後は全研修医向けのレクチャーにしたいと考えています).

                                         吉 岡


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