2011年12月28日水曜日
2011年12月17日土曜日
Aさん
外来診療のポイント(レクチャー)では、入院患者さんの診療と外来診療を比較することで、わかりやすかったです。外来では、診断がついていない点・患者さんが帰ってしまう(時間が限られている)点・ニーズを知るという点がとても大きいということを再確認しました。
他の科の外来と比較して、いろいろな社会的背景を持った患者さんがいらっしゃっていて医師としてだけでなく、一般の大人としての対応の難しさを感じました。仕事が症状の改善を妨げたり、来院出来なくしたりするので、そのような話も聞いていかなければならないと思いました。
Bさん
患者さんの住所をチェックされていることに驚きました。ほかの科でもされることかもしれませんが、プライマリケア医は、通院しやすいかどうかなどを考慮して、より患者さんの生活によりそって医療を行うのだという印象を受けました。
患者さん全員に対して先生方がしっかり把握しようという意識が感じられました。そして、自分が診察していない患者さんでも、実際に診察した先生と同じ印象を持っていることに感心しました。自分もカルテを書く際やプレゼンを行う際は、自分が持った印象がきちんと伝わるように意識しようと思います。
Cさん
バイタルサインはルーチン的で今まではつい流しがちだったのですが、総合診療部での外来実習で、問診よりも先に手に入る情報なので、自然と気を配るようになり、その数値から患者さんがどの様な状態なのか「想像する」きっかけとなりました。
先生方も全員優しく、本当に楽しい実習でした。3カ月総合診療部で実習すれば問診やプレゼンの勉強だけでなく、国試に必要な知識もかなりつくのではないかと思えるぐらい勉強になりました。1日祝日を挟んだのがもったいなく感じるほどでした。
(※ 総合診療部の学生実習は残念ながら2週間です)
担当:吉岡
2011年12月12日月曜日
2011年11月20日日曜日
日本内科学会 九州地方会(佐賀)
私も発表させていただきます。演題は
「B群溶連菌による感染で,全身諸臓器に膿瘍などを生じた1例」 です。
感染性眼内炎、化膿性膝関節症、腸腰筋膿瘍、椎体炎・椎間板炎、
(感染性)腹部動脈瘤を合併し、治療に難渋した症例です。
プログラムを見ると、現在当科でも診断に難渋している「IgG4関連疾患」に
関する演題が3題出されています。
また、先週外勤で遭遇した「たこつぼ型心筋症」に関する演題も3題あります。
他にも、昨年当科で経験した「メソトレキセート関連リンパ増殖性疾患」の
報告が1題あります。
出来るだけ、たくさん勉強してきたいと思います。
総合:吉岡
2011年11月16日水曜日
2011年11月6日日曜日
ティアニー先生
(提示された症例を,ティアニー先生が解決していくというものです)
症例は30代,男性
20年来のScがあり,プロブレムは1週間持続する発熱です.
まず先に,Scのため病歴が十分に取れていないかもしれないことを
ティアニー先生は強調されました.
「サルコイドーシスと診断されて,実は結核だったという症例を
2例見たことがあるけど,そんなことはないよね?」
と,早くも核心をつく発言あり.経験豊富であることが分かります.
また,「前医の診断を鵜呑みにしてはいけない」 ことに気付かされます.
さらに「肉芽腫性疾患には100種類以上ある」とのこと.
病理にも詳しいティアニー先生,おそるべしです.
身体所見ではリンパ節腫脹を認めるのみでしたが,5年前の生検結果を
取り寄せると,結核も完全には否定はできないとのコメントが・・・
クオンティフェロンは弱陽性でしたが,「診断的治療始めた方がよいで
しょう」とティアニー先生.
実際に治療を始めたところ,翌日には解熱!
見事な問題解決でした.
他にも,
「本当にScなのか?,Willson病が隠れていてSc様に見えることがある」
「精神疾患の患者は他の病気を合併していることが多い.まっさらな目で
見ることが大事」
など,いくつかのパールを披露してくれました.
ティアニー先生は世界でも著名な先生で「診断の神様」と呼ばれています.
英語が苦手なので,通訳なしではわかりませんが,「世界の一流」に触れる
機会はそうないので,みなさんも一度「世界の一流」に触れてみることを
お勧めします.
2011年10月23日日曜日
<外来カンファに対して>
先生方の前で毎日プレゼンをするという経験は今までの科ではなかったので、最初はプレゼンの内容や言う順序を考えるのにとても時間がかかり、昼休みを費やしていました。しかし、毎日繰り返すうちに話す手順はもちろん、強調すべきところと省略すべきところの違いが少しずつわかるようになり、さらに、自分なりにアセスメントしたり、プランを考えたりできるようになりました。
先生方が温かく聞いてくださり、プレゼンに足りない点を指摘してくださるので、次の日にすぐまた生かすことができて毎日自分の成長を実感することができました。研修医になってからもですが、これからの医師としての人生でプレゼンテーションは絶対に不可欠な技術だと思うので、本当に感謝しています。
<学生カンファ(PBL方式)に対して>
実際その日に総合外来に来られた患者さんの症例に対してPBLを行うことで,みんなで症例を共有できたと思う。自分が患者役になってほかの学生に質問されるときに、このことを聞いてほしいのになぁということがいくつかあり、実際に自分が問診をするときのヒントになったと思う。
<病棟実習(身体診察)に対して>
聴診するとき、はじめは何も考えずにするとあまり異常が感じられなかったけれど、先生から心雑音が聞こえると教えてもらって聞くと確認することができたので、異常がないか疑いながら注意して聴診することが大切だと思いました。
<バイタルサインのレクチャーに対して>
実習が始まったばかりの時は問診をとるだけで精一杯でした。しかし、この講義でバイタルサインの重要性がわかり、自分で患者さんの脈をとったり呼吸数を数えてみようとするようになりました。そうすると、それまでは気づかなかった呼吸の浅い深い、脈の強さ、四肢の観察まで気になりだして身体所見がより充実するようになりました。
講義の中で特に印象的だったのは体温と心拍数の関係のところです。この講義があった日にたまたまwebカンファレンスでレジオネラ肺炎の症例を習っており、その症例も比較的除脈だったので実際の症例とセットで覚えれて二度と忘れないなと思いました。また、その日熱がでていた友達の脈を数えて、「今の体温はだいたい何℃くらいだ」などと推測したりして講義内容がすぐに役に立ったのでとてもうれしかったです。
今まで、発熱と聞いたら、安易に感染と考えていましたが、そうではなく、その他の疾患を忘れないようにしなければならないと思いました。特に薬剤は忘れやすいので気をつけようと思いました。また、発熱も単に発熱と片付けるのではなく、寒気の有無や熱型なども聴くことに気をつけようと思いました。今まで呼吸数ついてあまり気にしていませんでしたが、バイタルから得られる情報は多いとしり、これからは忘れないように気をつけます。
<身体診察のレクチャーに対して>
患者さんの様子や顔や手をみただけで多くの病気を診断できることを学び、自分が普段患者さんの話を聞くことで手一杯で、患者さん様子をよく見ていなかったことに気付くことができ、これからは話を聞くだけでなく、しっかり患者さんの様子を見て、また診察で見逃しやすい診察を忘れないように心がけていこうと思いました。
これまでの実習ではいつも、診断がすでについていて、その疾患名からでてくる症状を確認する作業しかできなかったので、あと1週間の総合診療部での実習で少しでも多くの身体所見を自分で発見して、そこから疾患を想起できる練習ができたらなと思います。
<地域医療にレクチャーに対して>
主に坂西先生が北海道幌加内町で体験した地域医療を例に、プライマリ・ケアや地域医療についての講義をうけました。現在自分たちが実習をしているような大学病院を受診する患者は、病院に行く患者の約1/250で、一般的な患者(疾患)ではないということ、一般的な疾患が幅広く診れるような医師が不足しているいうことを学びました。
私の地元は○○県の田舎で、幌加内町ほどではありませんが、同じく地域医療を必要としています。今回の東日本大震災などの災害の場でも、即戦力として必要とされるのは、幅広く患者を診れる医師だと感じました。自分が将来どのような医師を目指して、そのためにはどのような知識や技術が必要とされるのか、改めて考える機会になりました。
<その他,実習全体を通しての感想>
問診やショートプレゼン、学生カンファなど、実際に自分たちが参加できることがとても楽しかったです。
これまで実習で回ってきた科との大きな違いは、診断に至るまでの過程を学んだことでした。今まではほとんどが治療の勉強だったので、より実践的で興味深く感じました。
「患者さんからお話しを聴く」「鑑別診断を考えて治療を考える」「プレゼンする」
これらは医師として絶対に必要な技術ですが、これまでは1科で1~2回しかできなかったために向上している実感があまりありませんでした。ひたすらこれらを毎日繰り返した総合診療部での実習は自分の成長を感じられてとても毎日が充実していました。身体所見のとりかたも今まで知らなかったことをたくさん教えていただき、視野が前より広がった気がします。
※ 感想の一部を抜粋しました.
総合 : 吉 岡
2011年10月19日水曜日
今回は総合診療部の5年次生臨床実習の教育について紹介したいと思います.
総合診療部では以前より教育に力を入れており,総合診療部出身の小田先生や江村先生が,学生教育および研修医教育で活躍されています.
もちろん,5年生の臨床実習(ポリクリ)でも教育に力を入れており,午前中は外来実習として学生に初診患者の問診をとってもらい,その内容を担当医にプレゼンテーションし,鑑別疾患を考えてもらいます.鑑別疾患を想起した上で,医師の問診と診察を,また医師が検査・治療方針をどう決めるのかを見学してもらっています.そして昼の外来カンファレンスで再度プレゼンテーションしてもらい,ドクターを中心に討論しています(さすがに学生には討論に参加するだけの知識が十分にありませんが,いろんなドクターの考えを聞いて学ぶことができます).
問診をとるだけでも,医療の一翼を担えたという充実感が得られるため,この外来実習に対する学生からの評価は高いです.また実際の症例はPBLで習うような典型的症例とは違い,学生にとって新鮮なようです.
最初は0~2個しか鑑別疾患を挙げられなかった学生が,2週間目には4つくらい(?)は鑑別疾患を挙げられるようになり,問診も落ち着いて聴取でき,そつなくプレゼンテーションができるようになると,教育する側としても学生の成長を目の当たりにすることができ嬉しくなります.このような外来実習は佐賀大学総合診療部の誇るべき特徴であり,今後も大事にしたいと考えています.
午後は主に講義を取り入れており,まずは医療面接のコツ(挨拶,信頼関係の構築)から問診のコツ・診断のコツ(診断推論)を講義し,特に問診の重要性を強調しています.問診だけで7~8割方診断をつけ,感度・特異度の高い身体所見と検査所見を用いて確定・除外診断することを教えています.近年の医療界では安易に検査を行う傾向がありますが,問診と身体所見を大切にし,検査をするにしてもしっかりとした目的を持って検査を行うよう指導しています.
他にも,今まで当たり前すぎて教育されてこなかったと思われる,プレゼンテーションのコツやバイタルサインのとらえ方,身体所見のとり方もレクチャーするようにしており,市中病院でプライマリ・ケアを実践している先生方の協力も得て,症候学や感度・特異度のレクチャーをしてもらったり,プライマリ・ケアの実際を学生に紹介してもらっています.
さらに空いた時間に病棟実習として,総合診療部に入院している患者さんの診察を医師と共に行うことで,身体所見のとり方などの実技指導も行っています.
このような総合診療部の実習に対する学生の評価は非常に高く,学生のアンケート調査でも他科と比べて突出した評価を得ています.今後も医局員と共に,よりよい実習にしていきたいと考えています.
(学生実習のスケジュールも貼り付けておきます)
追記:
学生実習だけでなく,研修医への教育にも力を入れており,上記内容だけでなく,実際の臨床現場で役立つ研修医向けのレクチャーを毎週のように行っています(今後は全研修医向けのレクチャーにしたいと考えています).
吉 岡
2011年10月11日火曜日
日本プライマリ・ケア連合学会の秋季セミナーに参加しました
連休中に東京のお茶の水で開催された日本プライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナーに参加してきました。
僕は1日しか参加できませんでしたが、2日間に渡り様々なレクチャー、ワークショップがありました。
定員制のため事前申し込みが必要で、特に人気のコースは早めに定員になってしまいます。
僕は、『ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics )を体験しようーALSO-Japan デモンストレーションコースー』と『高齢者の身体診察』に参加しました。
ALSOは産科におけるACLSと言ったもので、周産期救急の基礎を学ぶ本来のコースは2日間になりますが、今回はそのminimal essence ということで3時間で「正常分娩」「肩甲難産」「分娩後大出血」についてのレクチャー&実技がありました。
分娩について、じっくり習ったのは学生以来だったので、とても勉強になりました。
米国では、地域によっては「家庭医」の先生がお産を扱うこともあるそうです。
日本では、さすがにプライマリ・ケア医が直接扱うことはないと思いますが、離島・へき地や飛行機内など緊急時は関わる機会がないとは言えません。
『高齢者の身体診察』はドクターGでおなじみの水戸地域医療センターの徳田安春先生によるワークショップでした。
症例ごとに参加者が3人1組でディスカッションしながら、ワークショップが展開されました。
今回は高齢者でおさえておくべき身体所見について、様々なパールが惜しげもなく伝授されました。
身体診察ってほんとに奥が深いと思いました。内科って楽しいです。
資料もたっぷりいただいたので、しっかり復習して佐賀の学生・研修医にも伝えたいと思います。
秋季セミナーでは同時開催で震災シンポジウムもありました。
レクチャーの都合で、残念ながら参加できませんでしたが、当講座のスタッフが参加してくれたので間接的にその内容を聞きました。
震災の現場は、現在は避難所から仮設住宅での生活・医療サポートが課題となっています。
次回は11月に大阪で秋季生涯教育セミナーが開催されます。
ぜひ、多くの方に参加してもらいたいと思います。
http://www.primary-care.or.jp/gmeeting/c_seminar20111105.html
(坂西雄太)
2011年9月23日金曜日
2011年7月26日火曜日
シンポジウム『わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える』のご報告
ご報告が遅くなりましたが、7月2日に札幌で開催された第2回日本プライマリ・ケア学会学術大会のなかで佐賀大学病院 総合診療部と地域医療支援学講座の共同企画によるシンポジウム『わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える』を行いました。
以下、各シンポジストの皆さんのお話の一部を簡単に箇条書きで述べたいと思います。
小児がんでさえ7割治る時代に、ワクチンで防げる病気(VPD)に対してワクチンをしないのはネグレクト。
WHOは先進国では水痘やムンプスの定期接種を勧めているが、日本では任意接種。水痘でも重症化すると死亡例もある。
マスコミの報道は「有害事象」をすべて「副作用」として扱っているが、真の副作用とそうでないものの区別必要。真の副作用であるアナフィラキシーショックは、ワクチンの材料にゼラチンを使用しなくなってからは減っている。重症免疫不全(SCID)の子どもは、周りの子供たちがワクチンを打って、ワクチンを打てない子供たちを守るべき。
ロタウイルスのワクチン(ロタリックス)が昨日(7月1日)に日本でも承認された。2-3か月後に発売予定。
「VPDを知って子どもを守ろう。の会」のホームページでは、ロタウイルスワクチンも含めたワクチン接種スケジュールを公開している。
岩田健太郎先生(神戸大学 感染症内科)
子どもではなく、自分の安全に目が向いている(詳細は岩田先生のブログ参照)。
海外では、同時接種で使用されているものを、日本で同時接種できないのはおかしいのではないか。
ワクチンに限らないが「もし、〜〜が起こったら、誰が責任を取るんだ」ということに怯え、思考停止に陥り、自主規制してしまう人が多い(これは放送禁止用語にも言える)。
医師として、プロとしての誇りと責任をもって、同時接種をしてほしい。
高畑紀一先生(「細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう」会 事務局長)
ワクチンを受ける子どもの親の立場から。
子どもが3歳のときにヒブ髄膜炎にかかった。のちにヒブワクチンのことを知り、「ワクチンがありながら、守ってあげられなかった」と自己を責めた。
わが国での悪しきパターナリズム。「国がしていないから、必要性が低いハズ」と自分で考えなくなってしまっている人もいる。
キング牧師の言葉『善意の人の沈黙と無関心』に示されるように、無関心の中間層をどうするかが課題。
「ワクチンの恩恵=何もおこらないこと」なので一般の方に、ワクチンの重要性が伝わりにくい。
堀成美先生(聖路加看護大学)
一般の方は、ネットでワクチンを検索しても、なかなかワクチンの正確な情報にたどり着けない。
とくに任意ワクチンについて(アクセスしやすい形で)情報提供している国の機関や行政のホームページは少ない。情報が不足している。
ワクチンは乳幼児期のみではない。学童、学生にも教育は必要。誰にどのように伝えるか。青年期からは母子手帳やワクチン接種記録を自己管理すべき。
現在、保護者の任意ワクチンの接種希望を医師が否定する困った状況も耳にすることもある。医療者間でも任意ワクチンに対しての認識のズレがある。助産師雑誌でも今回はじめてワクチン特集があった。
プライマリ・ケア連合学会もぜひ、ワクチン接種の指針を示してほしい。
国による定期接種化が望まれるのは、もちろんですが、それがなされるまでは、地方自治体独自のワクチン政策も必要だと思います。
幌加内町は人口も少なく、より少ない予算で公費助成が行えるのは確かですが、大きな自治体でも予算額そのものの印象で判断するのではなく、一般会計全体に対する割合で判断していただければと思います。幌加内町のワクチン公費助成事業の予算は、町の一般会計の0.1%弱です。
また、いままでは一般市民の方や小児科医や産婦人科医の先生方が必要な任意ワクチンの定期接種化をすすめるべく様々な活動をされてきましたが、プライマリ・ケア従事者の学会である日本プライマリ・ケア連合学会としても、他団体と協力して、ワクチン問題に取り組んでほしいと思います。
その後、フロアの皆さんとの質疑応答・ディスカッションを行いました。
ワクチン接種の手技や制度など実践に関する質問が多いのではと予測しておりましたが、実際は「日本プライマリ・ケア学会として、もっとワクチンについて情報発信すべきではないか」「小児のみならず、全年齢層でのワクチン接種スケジュールを学会として作れないか」「性教育、健康教育時にどのようにワクチン教育を行ったらよいか」「個々のワクチン接種歴の管理には、どのようなツールが有効か」といった前向きな発言・質問が多く、大変議論が盛り上がり、時間が足りないほどでした。
今後、学会としてワクチンについて取り組む際には、積極的に協力すると発言していただいた先生もおられ、皆さん、それぞれに何とかしなければと思われていた方が多いことを実感し、とても希望が持てました。
また個人的には、ついつい「ワクチン制度」や「ワクチン行政」など大きなところに目が向いてしまっていましたが、制度(ハード)に対して、もう一方で大切な住民(国民)へのワクチンに関する情報提供、住民がワクチンに対して不安や不信に思っていることに応えること(ソフト)も大切だということを改めて、学びました。
岩田先生の言葉にあった「それぞれが明日からできることをする」という、基本的なことにも立ち返りたいと思いました。
また高畑さんが言われた「1人が10言ってもなかなか一度には伝わらない。10人が、それぞれの機会で1ずつ話せば、最終的には10伝わると思う」という言葉にも、それぞれの現場での地道な取り組みの大事さを改めて感じました。
プライマリ・ケア連合学会の今回の震災医療支援のプロジェクト名は”Primary Care for All Team” ですが、ワクチンもまさに接種される個人はもとより、集団免疫を上げてみんなの健康を守るという”Vaccination For All” でもあります。
学会としての取り組みのためには、その準備等、少し時間がかかるとは思いますが、小児科医や産婦人科医だけではカバーできない世代も含めて、ワクチンについての情報提供や健康教育についてプライマリ・ケア医が関われることはとても多いと思います。
常に住民側を向いているプライマリ・ケア連合学会としての、これからの動きにとても期待をしています。もちろん、僕らにできることは何でも協力させていただこうと思っています。
(坂西雄太)
2011年7月1日金曜日
札幌 プライマリ・ケア連合学会でシンポジウム&ポスター発表します
お知らせが直前になってしまいましたが(汗)
そして、今後プライマリ・ケア学会としてもワクチンに対して、より積極的に一般の方や医療者に情報提供を行うようになってくれればという願いも込めています。
札幌で全国のみなさんにお会いできるのが楽しみです!
以下、学会HPよりシンポジウムとポスターの詳細です。
企画名
【シンポジウム2】
司会 杉岡 隆 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座)
堀 成美 (聖路加看護大学 看護教育学)
高畑 紀一 (細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会)
坂西 雄太 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座、前・幌加内町保健福祉総合センター長)
シンポジウムの後半では、シンポジスト同士や会場とのディスカッションを行い、これからのワクチン行政におけるプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える。
各シンポジストには以下について講演していただく。
薗部友良先生および岩田健太郎先生には、それぞれ小児科医、感染症科医の立場から、ワクチンで予防できる病気(Vaccine Preventable Diseases:VPD) に対するワクチンの意義やわが国のワクチン行政の制度上の問題点などについて。
堀成美先生には看護教育学の立場から、市民への健康教育やワクチンに関する情報提供のあり方などについて。
高畑氏には細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう会のこれまでの活動や、患児の保護者としての想い、市民と医療職、行政との連携などについて。
坂西は6種(インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、ムンプス、HPVワクチン)任意ワクチンの公費全額助成を実現した北海道幌加内町の取り組みを紹介する。
今学術大会には実際に現地に向かわれた保健・医療・福祉職の皆様そして、まさしく現地で復興のため日夜がんばっていらっしゃる方も参加されることと存じますので、現地での活動を写真などの記録を交えて紹介するポスターセッションを企画いたしました。
会場は市民公開講座の会場の目の前です。一般の方にも私たちプライマリ・ケアに携わるものの仕事を知っていただく機会にもなると思います。
【ポスター掲示】 7月2日 8:30〜13:30
【発表時間】 7月3日 9:30〜10:30
【ポスター撤去】 7月3日 15:00まで
(坂西雄太)
2011年6月17日金曜日
★総合診療医局説明会のご案内★
総合診療部医局説明会のご案内
新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、下記の日程で総合診療部の医局説明会を開催します。
専門診療が発展した現代ほど、地域から実力のあるプライマリ・ケア医(良医)を要望する声が多くなっています。佐賀大学総合診療部は、将来プライマリ・ケアに関わる家庭医療、地域医療、総合診療に進みたいと考えている医師を大事に育成してきました。日本ではまだまだ現場の医師は不足しています。私達は多くの若い皆さんがプライマリ・ケアの領域に進むことを希望しています。総合診療部はそのような熱意ある医師を育て、応援するための教育、研究をする部門です。
興味のある方は、是非ご参加下さい!
記
日時:2011年6月24日(金) 18時30分より
場所:総合診療部医師室(病院2階)
当日説明会の後に、食事会を予定しています。(20時頃より)
関連病院で勤務中の先生方にも参加していただく予定ですので、大学病院以外のお話などもできるかと思います。是非、気軽に遊びに来てください。
ご参加のご連絡、不明な点などがありましたら以下の連絡先まで。
連絡先 総合診療部医局 0952-34-3238
2011年6月8日水曜日
PCAT(日本プライマリ・ケア連合学会 東日本大震災支援プロジェクト)に参加しました
2011年4月23日土曜日
カナダへ留学される先生の送別会をしました。
2011年4月19日火曜日
『第1回 九州家庭医療学春期セミナー』のご報告
2011年4月4日月曜日
「新老人の会」佐賀支部設立総会のご案内
たくさんの方々のご参加をお願いいたします。
記
日 時:平成23年4月9日(土)15:00~
場 所:エスプラッツホール 佐賀市白山2丁目7-1
参加費:1500円(お茶付き)
当日の予定
○ 佐賀支部世話人代表挨拶
○ 本部事務局より
○ 講演 松本育夫氏(前サガン鳥栖監督)
○ ご歓談 (佐賀にわか公演:春久一座)
*去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により未曽有の津波被害がもたらされました。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。この機会に東北地方の皆様への励ましとともに当支部において何ができるか会員の皆様とご一緒に考えていきたいと思っております。何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。
*是非、ご友人やお知り合いをお誘いのうえ、ご参加をお願いいたします。
【問い合わせ先】「新老人の会」佐賀支部事務局(株式会社ミズ内)
電話番号:0952-22-7974 担当:入部 江口
ヒロタキ
2011年3月25日金曜日
小泉教授退任記念講演会&祝賀会
2011年3月18日金曜日
大震災に際して3
大震災に際して2
2011年3月17日木曜日
大震災に際して1
今回の大震災にて被災した方々には心からのお見舞いを申し上げます。
2005年3月当時、私は福岡の玄界島の診療所で一人院長として勤務しておりました。僻地医療を支えるために2003年の4月から医局からの命をうけての出向でありました。そして平和に二年の月日が流れようとしていた3月20日にあの大地震が島を襲ったのです。島は燦々たる状況で、多数の住宅が傾き、倒壊した家も少なくありませんでした。本土とは比べ物にならないほど住居の被害が大きく、間違いなく本土よりも強い揺れが島を襲ったのだろうと思われました(島に地震計がなく推測でしかないのですが、、、)。地震当日のうちに、全島民避難命令がかかり、全島民は体一つで本土に渡り、福岡市の九電体育館に避難することとなりました。当時の島の人口は700人程度であったと思います。それが、いつ終わるともしれない九電体育館での避難所生活の始まりでした。
2011年3月16日水曜日
震災の影響
2011年2月23日水曜日
糖尿病学の進歩に参加してきました。
2011年2月9日水曜日
小泉教授最終講義のご案内
日時:平成23年2月23日(水)14:30~1時間程度
場所:佐賀大学医学部臨床小講堂(3113)
演題:「総合診療はどこまで浸透したか―『病院総合医』の役割について」
聴講はどなたでもできます。学生さん大歓迎です。
ひろたき
2011年2月6日日曜日
HDS-R (改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)をチェック
Check out this application on the App Store:
HDS-R (改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)Pharmedico Co., Ltd カテゴリ: 医学 更新: 2010/9/25 |
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2011年2月4日金曜日
『緩和ケア総合診療マニュアル』
です。
目次は次のとおりです。
1)ホスピスと緩和ケア 2)コミュニケーションについて 3)痛み 4)悪心と嘔吐 5)食欲不振と悪液質 6)便秘 7)下痢 8)腸閉塞 9)呼吸困難 10)咳そう
11)抑うつ症状 12)不安とせん妄 13)耐えがたい苦痛 14)不眠 15)尿路の症状 16)皮膚と口腔のケア 17)小児の緩和ケア 18)末期HIV感染症
19)末期がんでのステロイド使用 20)持続皮下注入 21)侵襲的鎮痛法 22)その他(痙攣、かゆみ、しゃっくり、高カルシウム血症など)
となってマス。
医学生や研修医、医師、看護師の皆さんにもおすすめです!
以下、出版社(プリメド社)の紹介文です。
『種々の苦痛に幅広い視点でアプローチする緩和ケアマニュアル』
米国のホスピス緩和医学専門医が,がん末期に伴うさまざまな苦痛緩和を紹介。著者の長年にわたる経験から得られたあらゆるスキルを紹介するとともに,ケアに必要な心構えまでも網羅。豊富な項目と充実した内容にもかかわらず,箇条書きにしたコンパクトな解説文とすっきりしたレイアウトが読みやすい。
”プライマリケアと患者支援の医学書出版”プリメド社HP http://www.primed.co.jp/index.html