今年も1年があっという間でした。
研修医の先生方も3か月お疲れ様でした。
ゆっくり休んで、来年もがんばりましょう。
hirotaki
連休中に東京のお茶の水で開催された日本プライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナーに参加してきました。
僕は1日しか参加できませんでしたが、2日間に渡り様々なレクチャー、ワークショップがありました。
定員制のため事前申し込みが必要で、特に人気のコースは早めに定員になってしまいます。
僕は、『ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics )を体験しようーALSO-Japan デモンストレーションコースー』と『高齢者の身体診察』に参加しました。
ALSOは産科におけるACLSと言ったもので、周産期救急の基礎を学ぶ本来のコースは2日間になりますが、今回はそのminimal essence ということで3時間で「正常分娩」「肩甲難産」「分娩後大出血」についてのレクチャー&実技がありました。
分娩について、じっくり習ったのは学生以来だったので、とても勉強になりました。
米国では、地域によっては「家庭医」の先生がお産を扱うこともあるそうです。
日本では、さすがにプライマリ・ケア医が直接扱うことはないと思いますが、離島・へき地や飛行機内など緊急時は関わる機会がないとは言えません。
『高齢者の身体診察』はドクターGでおなじみの水戸地域医療センターの徳田安春先生によるワークショップでした。
症例ごとに参加者が3人1組でディスカッションしながら、ワークショップが展開されました。
今回は高齢者でおさえておくべき身体所見について、様々なパールが惜しげもなく伝授されました。
身体診察ってほんとに奥が深いと思いました。内科って楽しいです。
資料もたっぷりいただいたので、しっかり復習して佐賀の学生・研修医にも伝えたいと思います。
秋季セミナーでは同時開催で震災シンポジウムもありました。
レクチャーの都合で、残念ながら参加できませんでしたが、当講座のスタッフが参加してくれたので間接的にその内容を聞きました。
震災の現場は、現在は避難所から仮設住宅での生活・医療サポートが課題となっています。
次回は11月に大阪で秋季生涯教育セミナーが開催されます。
ぜひ、多くの方に参加してもらいたいと思います。
http://www.primary-care.or.jp/gmeeting/c_seminar20111105.html
(坂西雄太)
ご報告が遅くなりましたが、7月2日に札幌で開催された第2回日本プライマリ・ケア学会学術大会のなかで佐賀大学病院 総合診療部と地域医療支援学講座の共同企画によるシンポジウム『わが国のワクチン行政とプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える』を行いました。
以下、各シンポジストの皆さんのお話の一部を簡単に箇条書きで述べたいと思います。
WHOは先進国では水痘やムンプスの定期接種を勧めているが、日本では任意接種。水痘でも重症化すると死亡例もある。
マスコミの報道は「有害事象」をすべて「副作用」として扱っているが、真の副作用とそうでないものの区別必要。真の副作用であるアナフィラキシーショックは、ワクチンの材料にゼラチンを使用しなくなってからは減っている。重症免疫不全(SCID)の子どもは、周りの子供たちがワクチンを打って、ワクチンを打てない子供たちを守るべき。
ロタウイルスのワクチン(ロタリックス)が昨日(7月1日)に日本でも承認された。2-3か月後に発売予定。
「VPDを知って子どもを守ろう。の会」のホームページでは、ロタウイルスワクチンも含めたワクチン接種スケジュールを公開している。
岩田健太郎先生(神戸大学 感染症内科)
子どもではなく、自分の安全に目が向いている(詳細は岩田先生のブログ参照)。
海外では、同時接種で使用されているものを、日本で同時接種できないのはおかしいのではないか。
ワクチンに限らないが「もし、〜〜が起こったら、誰が責任を取るんだ」ということに怯え、思考停止に陥り、自主規制してしまう人が多い(これは放送禁止用語にも言える)。
医師として、プロとしての誇りと責任をもって、同時接種をしてほしい。
高畑紀一先生(「細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう」会 事務局長)
ワクチンを受ける子どもの親の立場から。
子どもが3歳のときにヒブ髄膜炎にかかった。のちにヒブワクチンのことを知り、「ワクチンがありながら、守ってあげられなかった」と自己を責めた。
わが国での悪しきパターナリズム。「国がしていないから、必要性が低いハズ」と自分で考えなくなってしまっている人もいる。
キング牧師の言葉『善意の人の沈黙と無関心』に示されるように、無関心の中間層をどうするかが課題。
「ワクチンの恩恵=何もおこらないこと」なので一般の方に、ワクチンの重要性が伝わりにくい。
堀成美先生(聖路加看護大学)
一般の方は、ネットでワクチンを検索しても、なかなかワクチンの正確な情報にたどり着けない。
とくに任意ワクチンについて(アクセスしやすい形で)情報提供している国の機関や行政のホームページは少ない。情報が不足している。
ワクチンは乳幼児期のみではない。学童、学生にも教育は必要。誰にどのように伝えるか。青年期からは母子手帳やワクチン接種記録を自己管理すべき。
現在、保護者の任意ワクチンの接種希望を医師が否定する困った状況も耳にすることもある。医療者間でも任意ワクチンに対しての認識のズレがある。助産師雑誌でも今回はじめてワクチン特集があった。
プライマリ・ケア連合学会もぜひ、ワクチン接種の指針を示してほしい。
国による定期接種化が望まれるのは、もちろんですが、それがなされるまでは、地方自治体独自のワクチン政策も必要だと思います。
幌加内町は人口も少なく、より少ない予算で公費助成が行えるのは確かですが、大きな自治体でも予算額そのものの印象で判断するのではなく、一般会計全体に対する割合で判断していただければと思います。幌加内町のワクチン公費助成事業の予算は、町の一般会計の0.1%弱です。
また、いままでは一般市民の方や小児科医や産婦人科医の先生方が必要な任意ワクチンの定期接種化をすすめるべく様々な活動をされてきましたが、プライマリ・ケア従事者の学会である日本プライマリ・ケア連合学会としても、他団体と協力して、ワクチン問題に取り組んでほしいと思います。
その後、フロアの皆さんとの質疑応答・ディスカッションを行いました。
ワクチン接種の手技や制度など実践に関する質問が多いのではと予測しておりましたが、実際は「日本プライマリ・ケア学会として、もっとワクチンについて情報発信すべきではないか」「小児のみならず、全年齢層でのワクチン接種スケジュールを学会として作れないか」「性教育、健康教育時にどのようにワクチン教育を行ったらよいか」「個々のワクチン接種歴の管理には、どのようなツールが有効か」といった前向きな発言・質問が多く、大変議論が盛り上がり、時間が足りないほどでした。
今後、学会としてワクチンについて取り組む際には、積極的に協力すると発言していただいた先生もおられ、皆さん、それぞれに何とかしなければと思われていた方が多いことを実感し、とても希望が持てました。
また個人的には、ついつい「ワクチン制度」や「ワクチン行政」など大きなところに目が向いてしまっていましたが、制度(ハード)に対して、もう一方で大切な住民(国民)へのワクチンに関する情報提供、住民がワクチンに対して不安や不信に思っていることに応えること(ソフト)も大切だということを改めて、学びました。
岩田先生の言葉にあった「それぞれが明日からできることをする」という、基本的なことにも立ち返りたいと思いました。
また高畑さんが言われた「1人が10言ってもなかなか一度には伝わらない。10人が、それぞれの機会で1ずつ話せば、最終的には10伝わると思う」という言葉にも、それぞれの現場での地道な取り組みの大事さを改めて感じました。
プライマリ・ケア連合学会の今回の震災医療支援のプロジェクト名は”Primary Care for All Team” ですが、ワクチンもまさに接種される個人はもとより、集団免疫を上げてみんなの健康を守るという”Vaccination For All” でもあります。
学会としての取り組みのためには、その準備等、少し時間がかかるとは思いますが、小児科医や産婦人科医だけではカバーできない世代も含めて、ワクチンについての情報提供や健康教育についてプライマリ・ケア医が関われることはとても多いと思います。
常に住民側を向いているプライマリ・ケア連合学会としての、これからの動きにとても期待をしています。もちろん、僕らにできることは何でも協力させていただこうと思っています。
(坂西雄太)
お知らせが直前になってしまいましたが(汗)
そして、今後プライマリ・ケア学会としてもワクチンに対して、より積極的に一般の方や医療者に情報提供を行うようになってくれればという願いも込めています。
札幌で全国のみなさんにお会いできるのが楽しみです!
以下、学会HPよりシンポジウムとポスターの詳細です。
企画名
【シンポジウム2】
司会 杉岡 隆 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座)
堀 成美 (聖路加看護大学 看護教育学)
高畑 紀一 (細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会)
坂西 雄太 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座、前・幌加内町保健福祉総合センター長)
シンポジウムの後半では、シンポジスト同士や会場とのディスカッションを行い、これからのワクチン行政におけるプライマリ・ケア医の担うべき役割を考える。
各シンポジストには以下について講演していただく。
薗部友良先生および岩田健太郎先生には、それぞれ小児科医、感染症科医の立場から、ワクチンで予防できる病気(Vaccine Preventable Diseases:VPD) に対するワクチンの意義やわが国のワクチン行政の制度上の問題点などについて。
堀成美先生には看護教育学の立場から、市民への健康教育やワクチンに関する情報提供のあり方などについて。
高畑氏には細菌性髄膜炎から子どもたちを守ろう会のこれまでの活動や、患児の保護者としての想い、市民と医療職、行政との連携などについて。
坂西は6種(インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌、水痘、ムンプス、HPVワクチン)任意ワクチンの公費全額助成を実現した北海道幌加内町の取り組みを紹介する。
今学術大会には実際に現地に向かわれた保健・医療・福祉職の皆様そして、まさしく現地で復興のため日夜がんばっていらっしゃる方も参加されることと存じますので、現地での活動を写真などの記録を交えて紹介するポスターセッションを企画いたしました。
会場は市民公開講座の会場の目の前です。一般の方にも私たちプライマリ・ケアに携わるものの仕事を知っていただく機会にもなると思います。
【発表時間】 7月3日 9:30〜10:30
【ポスター撤去】 7月3日 15:00まで
(坂西雄太)
総合診療部医局説明会のご案内
新緑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、下記の日程で総合診療部の医局説明会を開催します。
専門診療が発展した現代ほど、地域から実力のあるプライマリ・ケア医(良医)を要望する声が多くなっています。佐賀大学総合診療部は、将来プライマリ・ケアに関わる家庭医療、地域医療、総合診療に進みたいと考えている医師を大事に育成してきました。日本ではまだまだ現場の医師は不足しています。私達は多くの若い皆さんがプライマリ・ケアの領域に進むことを希望しています。総合診療部はそのような熱意ある医師を育て、応援するための教育、研究をする部門です。
興味のある方は、是非ご参加下さい!
記
日時:2011年6月24日(金) 18時30分より
場所:総合診療部医師室(病院2階)
当日説明会の後に、食事会を予定しています。(20時頃より)
関連病院で勤務中の先生方にも参加していただく予定ですので、大学病院以外のお話などもできるかと思います。是非、気軽に遊びに来てください。
ご参加のご連絡、不明な点などがありましたら以下の連絡先まで。
連絡先 総合診療部医局 0952-34-3238
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| HDS-R (改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)Pharmedico Co., Ltd カテゴリ: 医学 更新: 2010/9/25 |
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です。
目次は次のとおりです。
1)ホスピスと緩和ケア 2)コミュニケーションについて 3)痛み 4)悪心と嘔吐 5)食欲不振と悪液質 6)便秘 7)下痢 8)腸閉塞 9)呼吸困難 10)咳そう
11)抑うつ症状 12)不安とせん妄 13)耐えがたい苦痛 14)不眠 15)尿路の症状 16)皮膚と口腔のケア 17)小児の緩和ケア 18)末期HIV感染症
19)末期がんでのステロイド使用 20)持続皮下注入 21)侵襲的鎮痛法 22)その他(痙攣、かゆみ、しゃっくり、高カルシウム血症など)
となってマス。
医学生や研修医、医師、看護師の皆さんにもおすすめです!
以下、出版社(プリメド社)の紹介文です。
『種々の苦痛に幅広い視点でアプローチする緩和ケアマニュアル』
米国のホスピス緩和医学専門医が,がん末期に伴うさまざまな苦痛緩和を紹介。著者の長年にわたる経験から得られたあらゆるスキルを紹介するとともに,ケアに必要な心構えまでも網羅。豊富な項目と充実した内容にもかかわらず,箇条書きにしたコンパクトな解説文とすっきりしたレイアウトが読みやすい。
”プライマリケアと患者支援の医学書出版”プリメド社HP http://www.primed.co.jp/index.html