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2012年1月19日木曜日

教授着任のご挨拶

 平成24年1月1日付けで佐賀大学附属病院総合診療部の教授に着任いたしました、山下秀一です。
国立大学で最初に総合診療部が設置された、歴史のある教室の責任者としての責任を、今ひしひしと感じています。私は宮崎医科大学を卒業した当初より、救急もこなせる総合内科医を目指してトレーニングしてきました。神経内科や呼吸器科も得意分野です。

 今、地域医療は危機に瀕しています。入院患者や救急患者を管理できる内科の医師が不足していますが、私には問題はさらに深刻に思えます。というのは、一般内科という概念自体があやしくなってしまっている様に見えるからです。
たとえば、肺炎の患者さんの入院を依頼すると、呼吸器科の医師がいないという理由で断られたりすることがあります。肺炎は一般内科の疾患であるという常識が通用しなくなってしまった様です。このような事態が各所で見られます。

 地域医療を立て直す切り札のひとつが総合診療部の充実です。それぞれの医師が得意分野を持ちつつも、専門に偏りすぎず、内科一般を広くカバーできるようにトレーニングし、ある程度の重症度の入院患者まで、腰を強く診断し治療できる能力を獲得できるシステムが理想的です。このような医師をたくさん育てたいと強く願っています。

 総合内科と言えば、問診だけで診断する能力、内頸静脈の拍動の視診といった理学所見をとる能力、さらにはグラム染色などの細菌学的な検査がすぐに思い浮かぶと思います。いずれもとても重要なことだと思います。しかし、感度や特異度が今一つである問診や診察のみに頼ったり、患者から離れた場所で行うことになり、技師でもできる検査にあまりにも大きな重点を置くよりは、救命救急の手技や心臓や腹部の超音波や消化管内視鏡、気管支鏡といった、患者に直接施行する検査に一定以上の時間を割いてトレーニングすることが、しっかりした総合内科医になるためにはとても大切です。将来的にその手技を行わなくなり、他の医師に依頼するようになっても、ある程度しっかりとトレーニングしていれば、人の技術の良し悪しの判断も的確になります。

佐賀大学の地域医療支援学講座では、すでに循環器や消化器などのいろいろな内科の分野を1年程度ずつかけて、完成する総合内科のコースを実施しています。この素晴らしいシステムを継続し、内科全般に関して広く経験を積み、主要な検査や治療手技も一通りこなせる、レベルの高い総合内科医を育成することが目標です。

ぜひ多くの若い人に我々のプログラムに参加していただきたいと思っています。
地域医療をさらに発展させ、住民が安心して暮らせるようにするために、やる気のある若いエネルギーを求めています。
(山下秀一)

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